SAWATAYA CREATE 職人として

現相談役(三代目社長)と共に切磋琢磨した澤田屋のOBの職人さんたちに集まっていただき座談会を開催しました。当時の苦労話、職人論、今の澤田屋への想いなどを語っていただきました。

― みなさんは澤田屋さんに入社したのは同じ時期なのでしょうか?

わたしは昭和31年に澤田屋に入りましたかね。

その翌年にわたしが入りましたね。沢登さんたちもその後入ってきて、みなわりと同じ時期だったね。

わたしは少し後で昭和41 年だったと思います。

もともと勉強とか好きじゃなかったんですがね、澤田屋さんに入って社長にいろいろ勉強をしなさいと言われたんですよ。そろばんや習字、社交ダンス、将棋や碁などいろいろ教わりましたね。

わたしはバンドをやりました。会社で音楽の先生を呼んでくれたりして。社長は社員にお金をとてもかけてくれましたよね。なかなかできることじゃないですよ。他の会社じゃそんなことはなかったですからね。

ゼミナールなんかにも行かせてもらいました。ほんとうにありがたいことでした。

会社でレクリエーションということで、海水浴やハイキングなんかに行ったりもしたね。

会社でも連れていってくれたし、社員同士も仲良くて四尾連湖なんかにハイキングに行ったのを覚えてるかい?

覚えてるさ。当時は社員同士がとても交流があったね。

毎年新卒生が入ってきてね。仲もいいが、職人としての切磋琢磨もある。
言ってしまえば、澤田屋という家族みたいな感じだったね。先輩が後輩の面倒を見て、悪いことも教えながら和気あいあいとやっていたね。

家族ね、わかる気がしますよ。よくわたしたちのことも気遣ってくれていました。徹夜すると次の日は休ませてくれたんで、水晶温泉行ってから寝たりしてましたよ。

お酒が好きな人はこっそりコップ酒したりしていたな。適度にゆるいところもあり、いい時代だったかもしれないな。

― 仕事はどのように覚えていったのでしょうか?

俺たちが小僧で入ってた頃はお金のためというより、仕事を覚えるため、技術を習得することを最優先していたと思うんですよね。結果お金にもつながりますが、生きていくという意味でも、まず立派な職人にならなければならなかったですからね。

お菓子を作る職人として、どれだけのことができるかを理解して、できないことは必死で覚えましたよ。

ひとりでも余分に給料をとれるようになるにはどうしたらいいかをまず考えて実行にうつしました。

目標というかビジョンというか、そういったものをちゃんと持って、どんな人になりたいかを若いうちから考えておくと、その道を精進できるはず。

わたしたちの時代は教えてもらうってことがなかったから必死だったかもしれないね。先輩の技を目で見て、真似て自分のものにしていくというのが唯一でした。

― 今でも覚えている思い出深いことはありますか?

わたしが澤田屋に入って、まだ間もない頃、ご用聞きをしていたんですね。冬の寒い中でも自転車で配達していたのですが、手が霜焼けになって割れてくるんですよ。甲府の当時の倉惣の本店まで行っていた時に、そこの人がぼくの手を見て薬を持ってきてくれて、包帯で巻いてくれたんです。その時のことは今でも覚えていますね。涙が出るくらい嬉しかった。あとはいろいろな人のもとで、菓子作りを見れたことは大きかったですね。ありがたいことに、会社でも講師で名のある職人を招いてくれていたんですよ。

クリスマス時期は、みんなでケーキを売り歩いていたなあ。どれだけ売ったか、勝負したりもしましたね。

昔はよく喫茶店に行っていた記憶があります。コーヒーとケーキがセット料金になっていて、澤田屋のケーキも使ってもらっていたんです。あの頃は街や人にあたたかみがあった気がしますね。

そう思うねえ。こんな話もあるんだけど、馴染みのお客さんがゴルフのコースを回っていて、相手方がホールインワンをしたから何かそれで景品をあげたいと言ってきて。それでうちの職人たちに考えてもらって“ごるふまん”ができたんだ。その一度で辞めるつもりだったのが、美味しくて売り出したら人気が出て、よくゴルフコンペの商品で使ってもらったなあ。

パッケージも包装も画期的なデザインで、ホワイトチョコと黄身餡の組み合わせは和洋折衷な当時では新しいお菓子だったから飛ぶように売れたんでしたね。

わたしの思い出というか記憶にあるのは、当時はお酒を飲む人がとても多かったですね。甲府の中心で飲みつぶれている人をよく見かけましたよ。職人でも、技術はとてもあるけど酒癖が悪いなんて人も多くいましたね(笑)。

澤田屋の寮には門限を設けていたけど、飲んで遅く帰ってくる人をよく見かけていたもんだ。

外で飲む人が多かったですからね。当時、だいたいの職人は寮に暮らしていて、門限より遅くに帰って来て玄関を開けると、一斗缶が崩れる仕組みをたしか社長が作っていたんですよ。ユーモアがあったもんですね。

電柱からこっそり部屋に戻るなんて強者もいたな。当時は先輩に連れていかれたり、悪い遊びを覚えたもんだね。

上下関係がはっきりしていたから、ちゃんと先輩が怒ってくれたり、いいことも悪いことも教えてくれ、下は慕ったり勉強することも多かったんだよ。

入った頃は先輩の布団を引いたり、先輩の前ではなかなか座って飯を食えなかったもんさ。

わたしは売店で働いていることが多くて常に一人が多かったですね。そのことについては、なんで私が一人でって想いもあったのですが、続けていたのはよかったです。

― 当時と今で大きく変わったところはどんなところでしょうか?

今は小売業で生き残っているところはほんとに少ないでしょう。うしろに“屋”とつくところはどんどんなくなっていくね。薬屋、布団屋、八百屋、お菓子屋もだ。

そうは言っても、まだコンビニにはないニーズで生き残っているところもあるから、工夫が必要だね。小型の専門店があってもいいだろうし。

うちのほうはまだ車に魚を積んで、魚売りが来ますよ。わりと買って行く人も多いんですよ。

なにはともあれ、食べものに関して言えば、原材料がいいものを使って作っていれば、まず間違いがないと思っています。それを値段が高いからとか仕入れが面倒くさいからといって、ランクを落としていってしまうとダメになる。常にいいものを使って、さらにそれを活かす技術も身につければ、いつの時代も大丈夫じゃないですかね。

うちから出た職人は、みないい店を持って独立したりしている。俺はそれが自慢さ。ほんとうに美味い店が多くて嬉しいさ。うちから出たやつはみんなたいしたもんだ。

それはやっぱり澤田屋で、勉強するチャンスがいろいろあったからですよ。会社に一人でも、これとこれをかけあわせたらこうなるとわかるような職人がいれば鬼に金棒ですよね。

これからどんどん澤田屋でも育ってくるでしょうよ。

― 澤田屋さんで現在働いている方々にメッセージをお願いしてもよいでしょうか。

仕事を好きになるという努力をするといいと思います。仕事を好きになると、ちょっと嫌なことがあっても辛くなかったり、何かを作ろうという意欲も湧くと思っています。楽しく仕事をするためには、絶対に好きになるということがかかせないと思います。

他所の菓子を食べて勉強してもらいたいですね。あそこのお菓子が美味しいという噂があったらすぐに食べてみる。いろいろなお菓子を知るということは、判断基準が備わって絶対に自分にプラスになると思いますんで。ぜひアンテナを張り巡らせておいてください。わからないことは澤田屋のOBがいるので、気軽に聞きにきてくれればみんな協力してくれると思います。

人並みにしていたら人並みにしかできないんです。人一倍努力して、人生の金メダルを勝ち取ってほしいですね。

まあいいか、ではできないですよね。わたしはよく言っていましたけどね(笑)。

会社がバックアップしてあげて、職人たちとの垣根をなくして本音で付き合えるようになるのがいいだろうね。俺たちの時代と今の時代は違うだろうけど、根本は変わってないはず。先輩、後輩の関係もあるだろうけど、経営者と職人とのコミュニケーションもあるはずなんで、そういったところも大事にしてほしいですね。

俺はこの澤田屋という大学を卒業させてもらったと思っているよ。お菓子以外のこともたくさん教えてもらった。澤田屋に入っていなかったら、今のわたしは絶対にないと思っているんですよ。社長にはとても感謝しています。本音ですよ。

実際、働いているときはわからないんだけど、辞めてしみじみ思うことがあるもんだね。

嬉しいねぇ。

多くの仕事に手を出すのも大事ですよ。そのためには、スピードも身につけなければならないですし。

百年の歴史がある会社で働いていることに誇りを持って、一品一品心をこめてお菓子を作ってもらいたいですね。

長い繋がりの中で育まれた関係性は、まるで家族のようでもあります。
三代目は終始笑顔で、とても満足そうに話を聞いていました。

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